束の間の喜びから一転、間に合わなかった・・・

我慢できなかった香澄美

もう無理。我慢できない。
わたしは、すぐ右側に止まっている車の助手席に座っている女性に気づかれないように、左側のお尻を浮かせ、パンツの中にポケットティッシュをすべり込ませました。

お尻の割れ目にティッシュをあてがうことで、もしもの状態に備えたつもりでした。

温泉で使った濡れたタオルが後部座席にありましたが、体を動かすと思わず中身が出てしまいそうだったので、手元にあるポケットティッシュを肛門にあてたのでした。

冷静に考えると、ポケットティッシュだと汗を吸収するぐらいで、万が一の惨事が起きても何の役にも立たないことぐらいわかりそうなはずですが、何かせずにはいられなかったのです。

ほんとやばい・・・

そう思ったとき、のろのろと前の車が動き出しました。
あ、これは渋滞が解消されたのか??

わたしは救われた思いがしました。
やっぱり、本当にピンチというのは、頑張った人は回避できるものなんだ。

わたしは、もうピンチは過ぎ去ったものだと思い込み、車のスピードをじょじょにあげていきました。

10キロ、20キロ、30キロ、40キロ、50キロ・・・。
少しずつ周りの車の流れも速くなってきました。

わたしのヴィッツは、周りの車の速度に合わせ、時速50キロのスピードでサービスエリアに向かい始めました。

「サービスエリア(休憩所)まで、残り200メートル」

の標識が見えました。

よし、間に合いそう!
香澄美がそう思ったときです。

「ギュルギュルギュルギュル、ギューーー」
今まで以上に激しい腹痛がわたしを襲いました。

「あ・・・」

すぼめていたお尻の穴から、何かが勢いよく出た変な感触がありました。

「うそ・・・」

その瞬間、集中していた全ての力が無意識のうちにゆるんだのかもしれません。
モリっとした何とも言えない感触をおしりの間に感じ、その後生暖かい感触が香澄美のお尻に残りました。

「どうしよう。やってしまった」

目の前が真っ暗になりました。
わたしはいつの間にか、サービスエリアの駐車場に車を止めて体をこわばらせていました。

次は⇒とにかく家に帰ろう